早期リタイア(FIRE)

早期リタイア(FIRE)の目的:幸せ?不幸になる?メリットやデメリットは?

 皆さん、こんにちは。今日は、早期リタイア(以下、FIRE)を目指す目的の部分についてお話ししたいと思います。FIREの目的を踏まえて、FIREを達成する事で幸せになれるのか、どのようなメリットやデメリットがあるかについて、書籍やネットで勉強した内容を踏まえつつ、私なりの解釈をお話ししようと思います。FIREを目指している方にとってはもちろん、仕事に対する向き合い方に悩んでいる方、あるいは”現在の仕事に満足している方”にとっても、有益な内容と考えていますので、ぜひご一読ください。
 それでは、よろしくお願いします。

 【結論】FIREを達成する事で、幸せになる確率を格段に上げる事ができる!!

FIREとは?

 この記事をご覧の方は、おそらくFIREをご存じの方が多いと思いますが、初めての方もいらっしゃるかもしれませんので、念のためFIREとは何かについて、ご説明したいと思います。
 FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略語の事で、直訳しますと、経済的自立および早期リタイアを意味します。つまり、経済的自立とは、労働から得られる給与所得ではなく、資産運用などから得られる不労所得により生活費を賄う事を指します。嚙み砕いて言うと、働かなくても生きてける状態という事ですね。一方、早期リタイアは、一般的に60歳である定年退職(リタイア)を30代あるいは40代などに早める事を指します。
 さて、本題に戻りますと、このFIREを達成した場合、幸せになれるでしょうか。おそらく、多くの方が『働かなくてもいいなんて、幸せに決まってる!』と思われた事でしょう。しかし、一方で、宝くじに当たって仕事を辞めた方が、不幸になったという記事を読んだ方もいるのではないでしょうか。
 そこで、以下では、FIREにより幸福度は上がるのかについて、検討しました。

FIREにより、幸せになれる?まさか不幸になる?

 私は、FIREの達成により、多くの方が幸福度を大幅に上げられると考えています。その主な理由は、FIREにより以下の2つが起きる確率が極めて高いからです。
 ① 幸福度を下げる要因を減らす事ができる。
 ② 幸福度を上げる要因を増やす事ができる。
 幸せは抽象的な言葉であるため、そのままでは判断が難しいです。そこで、幸せを決める要因として、幸福度を上げる要因と下げる要因に分ける事で、FIREにより幸せになれるかを客観的に判断しやすくなると考えました。
 では、FIREの達成により、この2つの要因はどう変化するでしょうか?以下で、詳しく検討してみたいと思います。

FIREにより、幸福度は下がるのか。

 さて、幸福度を下げる要因(ストレス)とは何でしょうか?厚生労働省が2019年に国民10万人に対して行った国民生活基礎調査によれば、ストレス要因の第1位は、仕事でした。「やっぱり」という感じですね。おそらく、皆さんの感覚とも一致しているかと思います。
 では、何故、仕事は最もストレスを感じやすいのでしょうか。例えば、あなたがレストランに出かけたとします。そして、レストランの店員の態度が悪く、食事を楽しめなかったため、ストレスに感じたとします。もちろん、二度と行きませんよね?生きている限り、このようなストレスを事前に避ける事はできません。しかし、繰り返す事もありません。つまり、一過性のものであるため、この種のストレスが幸福度を下げるインパクトは小さいと言えるでしょう。
 次に、仕事で理不尽な上司と働く事になり、ストレスを感じたとしましょう。とは言え、レストランと同じように、「もう二度と会社に行かない」とは簡単にはできませんよね。つまり、仕事の場合は、接客が悪くストレスを感じるレストランに通い続けなければならないという事になります。しかも、1日8時間、週5日間を35年間も(T_T)よって、仕事のストレスは一過性ではなく、しかも避ける事が容易ではないため、幸福度を下げるインパクトは極めて大きいと言わざるを得ません。厚生労働省の調査にて、ストレス要因の1位に選ばれるのも納得できます。
 その他にも、青山学院大学、桃山大学、大阪大学による20歳以上の6000人を対象にした調査によれば、労働参加は幸福度を下げる事が報告されています。また、世界各国の男女の幸福度を調べた世界幸福度調査または世界価値観調査の結果で興味深かったのは、女性よりも男性の幸福度が低い国は、驚くべきことに日本だけでした。詳しくみてみると、図1に示すように、幸福度は20歳以降から低下し始め、40代で最低となり、その後60歳以降から増加し始めています。就職の年齢、働き盛りの年齢、そして定年退職の年齢と結び付けてしまうのは、私だけでしょうか?


 さて、本記事を読まれている方の中には、「私は、職場の人間関係にも悩んでないし、仕事内容も好きだから、ストレスは感じていない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ある日、理不尽な上司が異動してくるかもしれませんし、もしかすると自分がブラックな部署に異動させられるかもしれません。そして、もしそうなったとしても、FIREという備えがなければ、悲しい事に毎日我慢して幸福度を下げる事になってしまいます。
 では、FIREを達成すると、どうなるでしょうか。Finacial Independence = 経済的自立を達成すれば、労働収入がなくとも生活が成り立つわけですから、仕事はしなくても生きていけるわけです。つまり、仕事を辞める、あるいは転職するというハードルは著しく低下すると考えられます。職場の人間関係や仕事内容がどうしても合わない場合は、自分に合った職場と仕事を見つければいいのです。もちろん、レストランを変える感覚と一緒とはいきませんが(笑)
 以上のことから、FIREを達成すれば、幸福度を下げる要因を減らす確率を、格段に上げられると結論付けます。
 ちなみに、転職すれば問題は解決する可能性があるわけですが、ハードルが高いと感じてしまいます。これは、心理学的には、保有効果と言って、人は自分が保有しているものを過剰評価してしまうという心理的バイアスが関わっています。また、コンフォートゾーンと言って、人が慣れ親しんだ場所から出る事を不安に感じるような、脳の構造上の仕組みが原因であるという側面もあります。確かに、我々の祖先が、危険を省みず安住の地から全員飛び出してしまっていたら、人類は滅んでいたでしょうから、動物の脳の機能としては必須の仕組みだと納得させられます。

FIREにより、幸福度は上がるのか。

 幸福度を下げる要因は、端的に言えば、ストレスを感じる事=嫌な事です。逆に言うと、幸福度を上げる要因は、幸せに感じる事=好きな事です。さて、FIREの達成により、好きな事はどのように変化するでしょうか。
 好きな事というと、すぐに思い浮かぶのは趣味かなと思います。「ん?でも、別にFIREしなくても、趣味はできるよな。。」と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今のご自身の日常を思い返してみて下さい。平日は、朝から夜まで働いて、ご飯食べてお風呂に入ったらもう寝る時間、休日は、疲れてるからゆっくり休んで、家事をしてスーパーに買い出しに行けば、あっという間という事はないでしょうか。趣味はあっても、気力と時間がなかったりしますよね(*_*)
 一方で、FIREを達成した場合はどうでしょうか。働かなくても収入があるので、まず働く必要がありません。FIRE後も働きたい方についても、少なくともサラリーマンのようにクタクタになるまで働くという事はないでしょう。いずれにしても、趣味に費やす時間と気力は十分!!というわけです(^^)今まで、生活のために仕事(=幸福度を下げる要因)に費やしていた時間が、FIREの達成により解消され、これにより生じた時間を、今度は幸福度を上げる要因(=趣味など)に使えるという、素晴らしいカラクリです。スラムダンクの湘北vs山王戦にて、桜木花道がリバウンドを取る事で、安西先生「つまり-2点が消え、+2点のチャンスが生まれる」、桜木「4点分の働きってコトか!!」というわけです笑
 もう一点、FIREによる大きなメリットがあると、私は考えています。皆さん、「この仕事やってみたいな、あの仕事やってみたいな」と思った事、一度はあるんじゃないでしょうか。しかし、その後に「でも、やった事ないし。上手くいくかも分からないから。もし失敗したら生活が成り立たなくなるし。」と考えてしまい、行動に移せなかったという経験はありませんか?
 今の仕事も、やってみたいと思った仕事も、本来選択肢の1つでしかありません。成功するか失敗するかは誰にも分からないので、シンプルに考えれば、成功する確率は1/2であるはずです。よって、「今の仕事は大丈夫。でも、新しい仕事は失敗する」と断定するのは、おかしな気がします。これは、心理学的には、ネガティビティ・バイアスと言って、人がマイナス面をクローズアップしてしまう性質からきています。狩猟民族であった我々の祖先が、外敵脅威から身の危険を避けるために身に付けた、脳の機能というわけです。前述した、コンフォートゾーンもそうですが、太古の昔は必要だった脳の機能が、現代を生きる我々にとって、悪い方に作用している場合もある、という事ですね。
 このような反応は、自動的かつ瞬間的な、反射に近いものであり、思考ではありません。そのため、これらの反応だけに判断を委ねる事は、誤った選択を招きかねないと思います。感情的ではなく冷静に、今の仕事と、やってみたい仕事を天秤にかけて、どちらが自分にとってメリットが大きいかを、論理的に考えてじっくりと時間をかけて判断すればいいのです。ネガティビティ・バイアスコンフォートゾーンも、時間がなく、直感的に行動しなければならない時には、役に立つかもしれません。しかし、私たちはマンモスに追われているわけではないですし、思考する時間は十分にあるわけですから、じっくり考える事が、最も正しい判断に近づく方法だと思います。脳のネガティブな反応は認めつつ、一度冷静に考えてみる癖をつけましょう。
 とは言え、やはり新しい仕事に挑戦するのは不安だ、というのが率直な意見でしょう。では、FIREを達成したら、この不安はどうなるでしょうか。働かなくとも生活費は確保できているわけですから、収入の心配をする必要はありません。グッとハードルが低くなったのではないでしょうか。やってみたいと思った事にたくさんチャレンジして、自分の本当にやりたい事を見つける事ができれば、人生の幸福度は大きく上がるはずです。それが、FIREの大きなメリットだと、私は思います。

FIREにデメリットはある?

 上記にて、FIREには、大きなメリットがある事を述べました。では、デメリットはないのでしょうか。最も大きくピックアップされている、FIREのデメリットとしては、FIRE後における生活破綻のリスクが挙げられます。おそらく、皆さんも、FIRE生活が成り立つのかが最も気がかりかと思います。
 この点に関して、私は、正しいFIREを行いさえすれば、FIRE生活が破綻するリスクは極めて小さいと判断しています。この理由としては、トリニティ大学の教授が発表したトリニティスタディを、ベースとなる根拠としています。本論文によると、投資先を100%米国株式とし、資産の4%を毎年取り崩して生活した場合、FIRE開始30年後に資産が減少する確率はわずか2%となっています。逆に言えば、30年後に資産は98%の確率で増加しているという事です。すなわち、正しいFIREを行えば、FIREが成功する確率は極めて高いという検証結果があります。
 とは言え、簡単にしか説明していませんので、まだ不安の残る方もいらっしゃると思います。トリニティスタディの具体的な内容については、別の記事で詳しく解説していますので、お時間のある時に、ぜひご一読頂ければと思います。

まとめ

 今回の記事では、FIREを達成した場合、幸せになれるのかについて検討しました。そして、FIREにより幸福度が上がる確率は極めて高い事、また、FIRE生活が破綻するリスクは極めて小さい事を解説しました。ご納得頂けたでしょうか?
 FIREを目指してみたいという気持ちが、少しでも芽生えてくれると嬉しく思います。次のステップとしては、FIREを達成するためには、具体的にいくらくらいの資産が必要か、というところが気になるかと思います。そこで、次回は、FIREを達成するために必要な資産についてお話しようと思います。

本日はお疲れ様でした(- -)( _)ペコリ