早期リタイア(FIRE)

早期リタイア(FIRE)に資産はいくら必要?トリニティスタディ、日本版4%ルール、フルリタイアとセミリタイアの違い、必要資産を減らす方法についても解説!

 経済的に自由になりたい。毎日好きな事をして楽しく暮らしたい!
 仕事の人間関係から解放されたい。自分の好きな仕事がしたい!

  などなど、早期リタイア(以下、FIRE)を目指す理由は人それぞれだと思います。では、FIREを達成するために、資産はいくら必要でしょうか?
 走り出す事は大事ですが、その前に適切な目標値を設定する事は非常に重要だと思いますので、FIREを目指している方、FIREに興味のある方は、ぜひご一読頂ければと思います。
 それでは、よろしくお願いします!

【結論】FIRE達成には、フルリタイアは4600万円、セミリタイアは1200-3400万円、ハイブリッド型は3300万円必要!!

 「4600万円も貯めるなんて無理だよ、、」となった方も、いらっしゃるかもしれません。しかし、この額は平均的な収入の方でも達成可能な額です。これについては、別の記事で詳しく説明していますので、お時間のある時にぜひご一読下さい。
 また、上記の金額は、FIRE後の生活スタイルによって、大きく変動します。今日のところは、ひとまず、ご自身のFIRE後の生活をシミュレーションしながら、ご自身のFIREに必要な金額を算出してみませんか?

FIREに必要な資産を計算するための基本的な考え方

 まずは、FIREに必要な資産の計算について、基本的な考え方を説明したいと思います。FIRE生活のベースとなる考えは、資産を枯渇させる事無く生活を続けていく事です。すなわち、収入>支出の関係を維持する事が基本となります。逆に、この関係を維持できないと、資産は目減りし最終的には一文無しになるため、FIRE生活は破綻してしまいます。そのため、FIREに必要な資産の計算は、以下に示すように、FIRE後の収入、支出のシミュレーションからスタートします。

 ステップ1:FIRE後の生活をシミュレーションし、支出額(生活費)を推定する
 ステップ2:FIRE後の生活をシミュレーションし、 収入額(投資の利益、労働収入など)を推定する
 ステップ3:1の支出額と2の収入額を用いて、FIREに必要な資産を算出する

 つまり、やるべき事は、ご自身のFIRE後の生活をシミュレーションするという事です。働かずにゆっくりとした生活を送りたいのか、あるいは、いろんな仕事にチャレンジしてみたいのか、、、考えるだけで楽しくなってきますね!
 FIRE後の生活をシミュレーションする事で、お金の出入りもイメージできてくると思います。例えば、住む場所は田舎なのか都会なのか、食事は自炊するのか外食なのか、車は必要かどうか、趣味にはどれくらいかかるのか、などの日々の生活について考えてみましょう。
 FIRE後の生活のイメージがまだ湧いていない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。以下では、FIRE後に働かない事を想定したフルリタイア、少し働く事を想定したセミリタイアのケースについて、資産を計算していますので、参考にして頂ければと思います。
 それでは、始めましょう!

FIREに必要な資産の計算方法

ステップ1:FIRE後の支出を計算してみよう!

 さて、まずは支出から見ていきましょう。支出は様々ありますが、まずは、FIRE生活を続ける=生きるために必要な費用について考えてみて下さい。つまり、衣食住(食費、住居費)が最低限必要な支出となります。もちろん、生きるだけではなく、FIRE生活を満喫したいので、これをベースとして娯楽費を追加していきましょう。
 以下に、支出の計算例を示していますが、基本的な支出は網羅していると思います。そこで、以下の各項目の値を、皆さんがシミュレーションした金額に置き換えて、計算し直して頂ければと思います。なお、家賃は、人によって大きく変わる項目かと思います。東京都23区だと8万円程度するでしょうし、実家なら無料です。今回は、適度かつ十分に都会だと思われる福岡市を例に計算しました。ちなみに、総務省が発表した、2020年における単身世帯の生活費は約150,000円との事でしたので、以下の計算例は現実的な数値だと思います。

  【支出】
   食費:40,000円(平日1000円、休日2000円で計算)
   家賃:40,000円(福岡市のワンルーム平均価格)
   光熱費:10,000円
   娯楽:30,000円
   年金、健康保険:23,000円
   その他:10,000円

   計 153,000円

 さて、皆さん上手くシミュレーションできたでしょうか。とは言え、シミュレーションはあくまでも頭の中で考えた結果に過ぎません。一番怖いのは、FIRE後にシミュレーションに誤りがある事が判明し、FIRE生活が破綻してしまう事です(*_*)そこで、念には念を入れて、シミュレーション結果の裏付けを取りたいと思います。
 具体的な方法として、お小遣い帳をつけてみましょう。購入の都度メモを取るのは大変ですから、クレジットカードと銀行の明細を利用して楽して計算しましょう。具体的には、カードの明細額と銀行の出金額を足す事で、1ヶ月にかかる支出を算出します。確度を上げるために、最低3ヶ月できれば1年分トライしてみて下さい。注意点としては、給与天引きされている年金と健康保険を別途追加する事、家賃補助を受けている方は補正する事、FIRE前後で変わる予定の費用(例えば家賃)について補正する事などです。
 さて、シミュレーションの裏付けは取れたでしょうか。もし一致しない場合、以下のように考えてみて下さい。シミュレーション > 裏付けの場合は、厳しめにシミュレーションを行っているだけなので、問題ありません。一方、シミュレーション < 裏付けの場合は、FIRE後は今より生活の質を落とす事を意味しています。1-2万円程度なら誤差範囲だと思いますが、5万円以上の大きな差がある場合は、シミュレーションをやり直してみましょう。もし、意図的にFIRE後の生活費を今より落とされた方は、一度FIRE後の生活費まで下げた生活を体験してみれば、シミュレーションに無理がないかを判断できると思います。
 もしかすると、自分が思っている以上に生活費を使っている事に気付いたかもしれません。現在の生活費を下げる事ができれば、FIRE達成までの時間を年単位で減らす事ができますし、FIREに必要な資産額も減らす事ができます。節約について興味のある方は、こちらで詳しく解説しているので、お時間のある時にぜひご一読頂ければと思います(今回の勉強の邪魔になるかもしれないので、記事の最後にもリンクを貼っておきます)。
 では、次のステップに進みましょう!

ステップ2:FIRE後の収入を計算してみよう!

 次は、収入についてシミュレーションしてみましょう。収入は、FIRE後に働かないフルリタイアと、少し働くセミリタイアの場合で、分けて考える必要があります。なお、FIREの基本的な考えとして、労働からの脱却という意味合いが強いので、以降では、収入の事を不労所得(働かずに収入を得る)と呼ばせて頂きます。
 まず、フルリタイアの場合について考えましょう。上述したように、FIRE生活を続けていくためには、不労所得>支出の関係を維持する事が重要となります。すなわち、ステップ1の計算例から、支出は月153,000円であるため、不労所得は月153,000円以上必要という事になります。どうやって不労所得を得るか、気になっているかもしれません。それについてはこちら(記事の最後にもリンクを用意しています)で解説していますが、今回はひとまず、FIREの達成にはいくら資産が必要か計算する事に注力して頂ければと思います。
 次に、セミリタイアのケースについてですが、例えば、自分の好きな仕事で月に10万円稼ぐ場合、FIRE後に必要な不労所得は、153,000円-100,000円=53,000円/月となります。

ステップ3:FIRE達成のために、いくら資産が必要か計算してみよう!

FIRE達成に必要な資産の簡易的な計算方法

 さて、ステップ1とステップ2の結果から、FIRE生活を維持するためには、毎月153,000円の不労所得が必要である事が分かりました。では、この金額を得るためには、どれくらいの資産が必要でしょうか?
 FIREの前提として、FIRE後の生活費は、一般的に投資により賄います。つまり、保有する資産を投資に回す事で、毎月153,000円の不労所得を得るという事です。投資未経験の方にとって、投資は怖いイメージがあるかもしれません。しかし、FIREは基本的に、投資なしでは成り立たちません
 例えば、25歳からFIREを目指し40歳でFIREを達成するとします。この場合、年金を貰える65歳までに必要な生活費は、153,000円×12カ月×25年=4590万円です。よって、25歳から40歳までの間に、毎月貯金する必要のある金額は、4590万円÷15年÷12カ月=255,000円となります。現実的な金額ではありませんね(-_-;)しかも、この場合、65歳で資産が0円になる計算ですが、年金は十分にもらえるでしょうか。
 厚生労働省「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の厚生年金受給額の月平均は約15万円です。FIREの場合、例えば、厚生年金は25-40歳の15年間しか加入していないので、単純に計算すれば、15万円の半分以下しか貰えないでしょう。25-40歳よりも40-60歳の方が年金の納付額は多いでしょうから、実際にはおそらく、6万円程度ではないでしょうか。これに、国民年金の平均受給額約6万円を足すと、年金の月額は12万円程度となりますが、平均的な生活は望めません。また、少子高齢化により、将来は年金の減額や支給年齢延長の可能性も高いと思います。つまり、貯金だけでは、FIREの実現は現実的ではないという事です。
 では、投資をした場合、どうなるでしょうか。まず、投資の条件として、利回りは年7%とします。利回りとは、銀行の利息のようなものです。例えば、銀行の利息は高くても0.2%程度ですから、100万円預けた場合、1年後の残高は最大100万2000円となります。銀行にお金を貸し出した事で、お礼として2000円貰えたというイメージです。一方、投資では、利回りが7%の場合、100万円は1年で107万円になります。これはつまり、企業へ100万円融資した事で、お礼として7万円貰えたというイメージです。
 2000円と7万円、貯金か投資かでリターンが全く変わってくる事をイメージして頂ければと思います。7%の信憑性についてですが、例えば、アメリカを代表する株価指数であるS&P500の平均利回りは約7%ですから、現実的な数値と言えます。これについては、こちらの記事で詳細に解説していますので、お時間のある時にご一読下さい(記事の最後にもリンクを用意しています)。
 さて、投資をする場合の資産額へ話を戻します。まず、年間の生活費は、153,000円×12カ月=1,836,000円となります。この金額分の株式を、資産から毎年売却すればいいと思われるかもしれませんが、株式には税金(20%)が課せられます。ただし、この税金20%は、売却額に対してかかるのではなく、利益に対してかかります。例えば、売却額184万円の内訳として、投資額100万円、利益84万円となるわけです。これを考慮して税金額を計算するのは複雑ですが、私の計算では、一般的な方の場合、売却額中の税金の割合は8%程度になりました。よって、毎年の売却額は、1,836,000円÷(1-0.08)=200万円となります。すなわち、FIRE達成に必要な資産額は、200万円÷0.07(利回り)≒2850万円となります。
 貯金の場合は4590万円必要という計算でしたので、投資をする事で1740万円も減額できています。さらに言えば、貯金の場合は65歳で資産は枯渇する計算ですが、投資の場合は増加分を生活費に充てるだけなので、元の資産2850万円は65歳を過ぎてもそのまま残る計算になります。

FIREの成功率を高める資産の計算方法

 上記にて、FIREに必要な資産は2850万円であると解説しました。しかし実は、2850万円では、FIREが成功する確率は70%程度となります。と言うのは、FIREの前提としている利回り7%というのは、あくまで平均値だからです。例えば、2000年のドットコムバブルや2007年のリーマンショックの際には、株価は数年間で50%程度下落しています。これは、資産2850万円が1425万円まで減少する事を意味します。すなわち、このような株価の下落時に生活費200万円を取り崩す事で、資産が目減りし、FIREが破綻するリスクが高まります。つまり、生活費200万円は、2850万円に対しては7%ですが、1425万円に対しては14%に相当するため、当初想定していた利回り7%では生活費を賄う事ができなるという事です。もちろん、それでも成功率は70%ですから、そこそこ高いと捉える事もできます。
 では、FIREの成功率をさらに高める方法はないのでしょうか。実は、この疑問を解決してくれる論文があります。FIREの世界では有名な論文で、アメリカのトリニティ大学の教授が執筆した「Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable」、通称トリニティスタディと呼ばれる論文です。どのような内容か簡単に述べますと、退職後の資産運用について、保有資産の何%を売却して生活すれば、最も資産を枯渇させるリスクを下げられるか、について検討しています。まさに、FIREにピッタリの内容ですね。
 では、本論文の詳細について勉強していきましょう。Table3は、アメリカを代表する株価指数であるS&P500へ投資した際の、FIREの成功率を1926-1995年の長期間において検討した結果です。横並びに記載されている3~12%は、資産の取り崩し率を表しており、例えば、資産2850万円に対して生活費200万円分を毎年売却する場合は、200/2850×100=7%となります。縦の15-30yearと記載されているのは、FIREの期間を表しており、例えば、取り崩し率7%にて、30年後に資産が枯渇していない確率は59%である事を意味します。
 逆に言えば、FIREが失敗する確率は41%ですから、かなり不安が残ります。70歳で無一文になるのは、想像したくないですね(-_-;)では、取り崩し率を4%に落とすとどうなるでしょうか。同じようにTable3を指で辿ると、FIREの成功率は95%となり、安心できる数値になりました。FIREについて勉強していると、4%ルールという単語がよく出てきますが、取崩し率を4%に設定する事でFIREの成功率が95%に上がるという点が由来だったわけですね。ちなみに、Table3から、成功率を100%にするためには取り崩し率を3%に設定する必要がありますが、この場合の資産額は、200万円/0.03=6667万円と極めて高額になってしまいます。私は、これほど高額は必要ないと考えているので、もうしばらくお付き合いください。

(出典)https://www.aaii.com/journal/199802/feature.pdf の一部を赤と青で強調

 さて、Table1の検証は、あくまでも、論文の目的である老後資産について検証しています。つまり、60歳で退職し、最大90歳まで生きる事を検証の前提条件にしているため、検証年数は最大30年になっています。しかし、FIREの場合は、例えば40歳と早期に退職しますし、近年の長寿命化により人生100年時代となっていますから、検証期間も60年欲しいところです。また、検証に用いたデータについても、1926年-1995年と少し古い点が気がかりです。
 実は、これらの懸念点を解消した検証を行っている、Early Retirement Nowというサイトがあります。こちらのサイトでは、1871年-2015年と最近のデータも含めた上で、最大60年間に渡ってFIRE生活の検証を行っています。表1に、その結果を示します。これより、100%stocks(=100%株式)の段を見て頂くと、FIREの成功率を100%にするためには、FIRE期間30年の場合は取り崩し率3.5%、同60年では3.0%となります。
 取り崩し率が3.5%および3.0%の場合、FIREの達成に必要な資産はそれぞれ、5714万円(生活費200万円÷0.035)と6667万円になります。ちなみに、資産を築くための方法については、こちらで詳しく解説していますが、6000万円程度貯めるためには、一般的な収入の方で約20年かかる計算になります。当たり前ではありますが、必要な資産額が多ければ多いほど、FIREの達成にかかる年数が増えてしまいます。しかし、私は6000万円も必要ないと考えており、その理由を下で解説したいと思います。

表1.(出典)https://earlyretirementnow.com/2016/12/07/the-ultimate-guide-to-safe-withdrawal-rates-part-1-intro/

フルリタイアに必要な資産額をシミュレーション!

 さて、Table3で示したトリニティスタディ、表1で示したEarly Retirement Nowは、あくまでアメリカに住む場合を想定しており、日本における検証ではない点に注意する必要があります。アメリカと日本で何が違うのかと言うと、消費者物価指数(インフレ率)が異なります。インフレ率とは、物の値段が毎年どれくらい上昇するかを意味しており、ここ30年では、アメリカは年平均約3%であるのに対して、日本は約1%で推移しています。
 つまり、上記で設定した生活費200万円は、物価の上昇に伴い年々増えていくという事、そして、この上昇率は国によって違うという事です。すなわち、日本に住む場合、30年後の生活費は、200万円×1.01^30年=270万円ですが、アメリカでは、200万円×1.03^30年=485万円もの生活費が必要になります。よって、日本に住む場合は将来の生活費が少なくてすむため、アメリカに住む事を想定したトリニティスタディの結果よりも、FIREの成功率は高くなります。
 そこで、日本版FIREのシミュレーションを独自に行ってみました。シミュレーションの条件としては、インフレ率を1%とし、投資対象はアメリカを代表する株価指数S&P500を選択し、1970年から2021年の50年間のデータを用いました。その他の条件として、労働収入0円、年金収入0円、生活費200万円、シミュレーション年数30年間とし、毎年資産を取り崩して生活した際のFIREの成功率を計算しました。
 表2に結果を示します。これより、FIRE時の資産が4600万円以上、すなわち取崩し率5%以下の場合、FIREの成功率が100%となる事が分かりました。トリニティスタディでは、資産6667万円(取り崩し率3%)でしたので、日本版では、より少ない資産でFIREを達成可能だと言う事ですね。また、ちまたで取り上げられている4%ルールは、日本では5%ルールの方が正しいという事でもあります。興味深いのは、資産4600万円が、30年後には平均1億8000万円まで膨れ上がっている事です。図1に、資産4600万円におけるシミュレーション結果を全て示していますが、資産が年々増加している事が分かると思います。
 図1に注目して頂くと、資産の増加は直線的ではなく、尻上がりに上昇している事が分かるかと思います。釈迦に説法かもしれませんが、これは複利効果によるものです。複利について簡単に説明しておきます。例えば、投資額100万円に対して利回り10%の場合、翌年の資産は100+100*0.1=110万円です。これを単利と言いますが、得られた110万円を再び投資に回すと複利効果が得られます。つまり、今年の利益は10万円でしたが、翌年は110×0.1=11万円が利益になります。この時点では、大した差はありませんが、例えばこれを30年続けると、単利の資産は100+10*30=400万円である一方、福利では100×(1.1)^30=1744万円と大きく違います。これと似たような事が、図2のシミュレーションでも起きており、グラフに載っていない70歳以降はさらに資産額が急激に増加する事が推測できます。
 ここまでは、FIRE後に働かないフルリタイアについて述べましたが、次のセクションでは、セミリタイアについてお話したいと思います。また、FIREに必要な資産額を減らす方法についても解説していますので、もう少しお付き合いください。

セミリタイアに必要な資産額をシミュレーション!

 セミリタイアは、資産から不労所得を得る一方で、その補助として多少の労働を行うパターンです。この場合の労働は、人それぞれですが、アルバイトを短時間行ったり、自分の好きな仕事に挑戦してみたり、ブログやYoutubeからの収益を得る方もいらっしゃると思います。
 表3に、セミリタイアにおけるシミュレーション結果を示します。本シミュレーションでは、FIRE成功率が100%となる資産額を、労働収入額に分けて算出しています。フルリタイアでは4600万円でしたが、FIRE後に月収3万円稼ぐだけで3400万円まで大きく下げられる事が分かりました。3万円というと、時給1000円のアルバイトを1日6-7時間、週1回するだけで済みますね。月収9万円あれば、資産は1900万円で足ります。フルリタイアはハードルが高いと感じた方も、頑張れば届きそうな額に思えてきたのではないでしょうか。
 次のトピックでは、フルリタイアに必要な資産額を減らす方法について解説したいと思います。

FIREに必要な資産額を減らす方法

 最後に、FIRE達成に必要な資産額を減らす方法について解説したいと思います。
 さて、前述のように、フルリタイアに必要な資産額は4600万円です。また、表2で示したように、資産額を3300万円へ下げた場合、FIREの成功率は81%となるため、3300万円では不十分という結論になっています。では、81%の内訳はどうなっているのでしょうか。これを示したのが、図2です。赤線で示すように、FIRE中に資産が枯渇するケースが存在するため、成功率が81%になったという事です。しかし、全体でみると、資産が増加しているケースの方が明らかに多いことが分かります。つまり、赤線で示したパターンさえどうにかできれば、資産は3300万円でも足りるという事になります。
 ここで登場するのが、フルリタイアとセミリタイアのハイブリッド型です。つまり、資産が順調に増えている場合はフルリタイアを選択し、資産が減ってきたらセミリタイアへ切り替えるという戦略です。

 ハイブリッド型FIREを行った際のシミュレーション結果を、図3に示します。条件としては、3300万円を下回った時だけ一時的にセミリタイア(月収10万円)へ切り替わり、再び3300万円を回復したらフルリタイアへ戻る事としました。ハイブリッド型を図2に適用する事で、赤線のパターンは、資産の枯渇を避ける事に成功しています。
 では、全シミュレーション中、セミリタイア期間はどれくらいあったかと言うと、年平均1ヶ月となりました。つまり、1年の内11ヶ月はフルリタイア、1ヶ月はセミリタイアという生活スタイルにする事で、資産3300万円でもFIRE成功率は100%になる事を意味します。もちろん、これは平均値ですから、図3において、青線であればそもそも資産が枯渇する事はないので働く必要はありませんが、逆に赤線であれば1ヶ月以上働く必要が出てきます。一点補足すると、シミュレーションの結果から、セミリタイア生活へ移行したのは、FIRE前半の40-55歳の期間だけでした。これは、上述のように、長期ほど複利効果が生じるため、FIRE後半では資産が減りにくいためだと考えられます。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?FIREを達成するために、ご自身がどれくらいの資産を得る必要があるか、イメージできたかと思います。これくらいでいいんだ!なのか、こんなの無理だよ…なのか、人それぞれかと思います。でも、落ち込んだ方もそうでない方も、今回この記事を読んだ事は、目標へ近づくための大きな一歩だと思います。
 そして、一つ言える事は、今回計算した資産額は、一般的な収入な方でも十分達成可能な金額だという事です。そのための具体的な方法については、別の記事で詳しく解説しますので、また一緒に勉強しましょう!
 本日はお疲れ様でした(- -)( _)ペコリ

 関連記事①:資産を貯める方法

 関連記事②:節約の方法