早期リタイア(FIRE)

早期リタイア(FIRE)達成に何年かかるか、年収別でシミュレーション!フルリタイア、セミリタイア、ハイブリッド型について、初心者にも分かるように解説しています。

 みなさん、こんにちは。前回の記事では、早期リタイア(FIRE)するために、1200-4600万円の資産が必要である事を解説しました。今回は、これらの額の資産を得るためには、おおよそ何年かかるか検証したいと思います。

 【結論】平均的な収入の方の場合、フルリタイアは16.5年、セミリタイアは7~12年、ハイブリッド型は13.5年でFIRE可能!投資額を50万円増やせば、さらに2,3年短縮可能!

 おそらくこの記事を読まれている方は、今すぐにでもFIREしたいと思ってらっしゃる方が多いでしょうから、少し長いと感じるかもしれません。しかし、何もしなければ60歳まで35年間も働かなければならないため、20年の短縮は非常に大きいと思います。
 また、上記は一般的な収入と支出の方を参考に計算していますから、収入と支出のコントロールを行う事で、FIREまでの期間はここからさらに数年単位で短縮できる可能性があります。それについては、別の記事で詳しく解説したいと思います(本記事の最後にリンクを貼っておきます)。ひとまず本日のところは、現状のご自身におけるFIRE達成までの年数をシミュレーションしてみませんか?年収別で場合分けして解説していますので、ぜひご一読頂ければと思います。

一般的なFIRE達成年数をシミュレーション

 さて、早速ですが、FIRE達成までの資産額の推移をシミュレーションしました(表1)。表内において、①収入は、国税庁が発表している民間給与実態統計調査を元にしていますので、一般的な年収の方をモデルにシミュレーションしています。①収入から、②社会保険料・税金、③生活費を差し引いた金額を、④投資可能額として毎年投資に回した際のシミュレーションを行っています。この時、投資の利回りは7%としていますが、この根拠は別の記事で詳しく解説していますので、お時間のある時にご一読下さい(最後にもリンクを示しておきます)。③生活費は、総務省が発表している家計調査を元にしていますので、一般的な支出の方をモデルにしています。計算の一例を示すと、26歳では、(去年の資産1,081,660円+今年の投資可能額1,081,660円)×1.07=2,314,752円、27歳では、(去年の資産2,314,752円+今年の投資可能額1,081,660円)×1.07=3,634,161円というように資産を算出しています。

 表1の資産額の推移を分かりやすく示したものが、下の図1になります。年齢を重ねるにつれて資産が増えており、セミリタイア(月収12万円)の場合は7年、セミリタイア(月収6万円)の場合は12年、ハイブリッド型リタイアの場合は13.5年、フルリタイアの場合は16.5年でFIREできる結果となりました。なお、図1にて、セミリタイアに必要な額は1200万円および2700万円、ハイブリッド型では3300万円、フルリタイアは4600万円としていますが、これらの金額の算出方法は、こちらの記事で解説していますので、お時間のある時にご一読頂ければと思います。
 上述のとおり、このシミュレーション結果は、政府が公表している平均的な年収と生活費を用いていますので、極めて現実的なものだと言えます。高収入などの特別な方でなくとも、図1の結果に従い、FIREを達成できるという事ですね。表1に示したように、25-29歳での投資額は年間100万円程度ですから、無駄遣いさえ意識すれば無理な節約をする事無く達成可能な額ではないでしょうか。

 もしかすると、思ったより長いなと感じた方がいらっしゃるかもしれません。参考に定年退職の場合の働く年数を載せていますが、35-40年となり、FIREの場合と比べて、20年以上長く働く必要があります。FIREを達成する事で、働く年数を圧倒的に短くできている事が分かるかと思います。
 また、上記は一般的な支出の方を想定しているので、今回の結果よりもFIRE達成までの年数を下げる事は、十分可能だと思います。これについては、別の記事で詳しく解説していますが()、年単位で短くできる可能性がありますので、お時間のある時にご一読頂ければと思います。

自分のFIRE達成年数を計算してみよう!

投資額別、FIRE達成年数のシミュレーション

 さて、上記では、一般的な収入と支出の方におけるFIRE達成までの年数をシミュレーションしました。収入や支出が同じだよという方、もしくは近い方については、上記のシミュレーション結果が参考になるかと思います。しかし中には、収入や支出が異なる方もいらっしゃると思います。そういった方は、ご自分でFIRE達成までの年数を計算する必要があります。
 表1に記載の内容を参考に、ご自身の状況に合ったシミュレーションを行えば精度の高いシミュレーションができると思います。計算するのが大変だという方は、以下で種々の条件におけるシミュレーションを行いましたので、参考にして頂ければと思います。なお、ご自身で計算されるという方については、年収と手取りの一覧を示されているサイトがありましたので、参考にして下さい。
 収入額と支出額は人それぞれであり、その組み合わせは膨大な数になるため、全てのシミュレーションを行う事は現実的ではありません。収入と支出、様々な額の組み合わせが考えられますが、ここで重要なのは、毎年いくら投資に回せるか、つまり収入と支出の差になります。手取り300万円かつ支出150万円の方と、手取り800万円かつ支出650万円の方は、投資可能額は同じであり、FIRE達成までの年数も同じになるからです。
 そこで、年間の投資可能額別でのシミュレーションを行いました(図2)。年間の投資可能額が分からない方については、ご自身の経済状況を把握する事はFIREするために非常に重要な事なので、計算してみて下さい。具体的には、例えば、銀行の明細から収入(給与額)と支出(引き出し額、クレジットカード支払い額など)を確認するだけです。これを年間額に換算すればOKです(ボーナスがある方は忘れないでくださいね)。あるいは、単純に今年一年で貯金がいくら増えたかを通帳で確認してもいいと思います。
 さて、年間投資可能額を把握できましたら、図2を見て下さい。図の見方としては、例えば、投資額が150万円でフルリタイアを目指す場合は、黒矢印のように約15年でFIRE達成できるという事です。
 ここで、一点補足があります。それは、図2の結果は、年収が常に一定であると仮定している点です。つまり、投資額100万円ではフルリタイアは約19年かかりますが、この場合、例えば収入250万円-支出150万円=投資額100万円を19年間行っています。しかし実際には、毎年給料は上がっていくと考える方が自然です。なぜ投資額を固定したかというと、収入の増加率は人それぞれであるため反映しにくい事と、”毎年いくら投資すれば何年後にFIREできる”という考えの方が分かりやすいと思ったからです。

毎年投資額を増やす場合のシミュレーション

 しかし、給料が上がらないと仮定した場合、実情を反映していない側面がありますので、給料の増加分を加味したシミュレーションを行ってみました。とは言え、給料の増加率は人それぞれかと思いますので、表1に示した国税庁の民間給与実態統計調査のデータを元に、給料の増加率を算出してシミュレーションを行いました。つまり、1年目における投資可能額を50-300万円に設定し、2年目以降は給料の増加に伴い投資可能額が徐々に増加すると仮定してシミュレーションを行いました。結果を図3に示します。
 点線が給与増加補正前、実線が補正後となっています。これより、給料の増加を考慮すると、曲線は左側にシフトしており、当然ながら、より早く資産は増加し、より早くFIREを達成できる事が分かります。表1を見て頂くと分かるように、25-29歳での投資可能額は100万円ですが、45-49歳では200万円になっていますので、給料増加の影響は大きいという事を意味しています。

 図2と図3の結果から、FIRE達成に必要な年数をまとめたものが表2になります。表の見方としては、例えば、FIRE達成まで毎年100万円を投資に回してフルリタイアを目指す予定の方は、赤線のように、”給料増加なし”と”フルリタイア”が交差する、21年がFIRE達成までの年数となります(①)。毎年決まった額を投資に回すという事は、例えば、給料が増えてもその分生活水準を上げる予定の方が該当すると思います。逆に、給料が上がっても生活水準を上げずに、その分投資に回す方は、4年早い17年でフルリタイアを達成できる事になります。
 また、この表は、以下のような使い方もできます。例えば、FIRE達成までの年数が思ったより長かったため、それを短くするために、節約や副業などにより年間投資額を100万円から150万円に上げる事で、フルリタイアまでの期間を21年から16年に短縮する事ができます(②)。また、フルリタイアを目指していたけど、ハイブリッド型に切り替えて、かつ、給料が上がった分投資に回す計画に変更する場合、FIREまでの期間は12年間に短縮するができます(③)。ハイブリッド型とは、フルリタイアをベースとして、資産が減少した時のみ一時的にセミリタイアに切り替わるタイプを指します。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
 いずれにしても、この表のFIRE達成年数を見ながら、ご自身のFIRE後のスタイル(セミリタイア、フルリタイアなど)と、FIREまでの投資条件(毎年の投資額、給料増加時の投資額)を決める事も可能というわけです。
 もしかすると気になった方がいらっしゃるかもしれませんが、投資可能額が50万円の場合、給料増加ありなしのFIRE達成年数への影響が大きいのに対して(フルリタイアの場合、29年→22年)、投資額が300万円の場合は、ほとんど影響していません(同10.3年→9.8年)。これは、300万円投資できる方は元々の給料が高い方と思われますが、この場合税金が多いため、給料が上がっても投資額への寄与が小さいためです。また、元々の投資額が300万円と多いため、給料増加分の寄与が小さいという理由もあります。

まとめ

 今回は、FIREを達成するためにかかる年数についてシミュレーションしました。想定より長いと感じた方も、短いと感じた方もいらっしゃると思いますが、FIRE達成までの期間を根拠を持ってイメージできたかと思います。その中で、当初はセミリタイアの予定だったところをフルリタイアに変えたり、フルリタイアをハイブリッド型に変更したりと、FIREの計画を修正された方もいらっしゃると思います。また、FIRE達成期間を短縮するために、年収を増やすあるいは節約をするという選択をした方もいらっしゃると思います。
 これまでに、FIRE達成に必要な資産額と、その資産を得るために必要な年数について解説してきました。とくると最後は、どうやって資産を築くのかという話が残されています。次回は、このトピックについて詳しく解説いたしますので、また一緒に勉強しましょう!(次回の記事はこちら

 まずは、本日はお疲れ様でした(- -)( _)ペコリ

関連記事①:投資利回り7%の根拠
関連記事②:FIRE達成までの年数を短くする方法①
関連記事③:FIRE達成までの年数を短くする方法②
関連記事④:FIRE達成に必要な資産額のシミュレーション