節約・支出

節約・支出: 生命保険、医療保険は必要?

 これまでの記事にて、FIRE(早期リタイア)を達成するためには、収入アップ×支出の最適化(①節約②クレジットカード)×投資(①FIREに適した投資信託②米国株vs世界株)が最適解である事を説明してきました。今回は、この中で支出の節約に該当すると思われる、生命保険および医療保険の必要性について述べたいと思います。

【結論】生命保険、医療保険は国民健康保険でカバーできるため不要。年間38.2万円の節約が可能。

 さて、生命保険文化センターの調査によると、平成30年における1世帯辺りの年間保険料の平均値は38.2万円となっています。逆に言えば、保険に加入しない場合、年間38.2万円節約が可能という事になります。平均的な収入の方をモデルケースとした場合、FIRE達成までに必要な年数は約13年ですが、38.2万円の節約を行う事で約11年にまで短縮できます。働く年数が2年も減るのは大きなインパクトですね。

 では、生命保険、医療保険がどうして不要であるかについて、以下で詳しく説明したいと思います。

生命保険は不要?

 配偶者あるいはお子さんがいらっしゃる方は、もしご自身に不幸があった時の事に備えて、生命保険に加入されている方がほとんどだと思います。確かに、亡くなったパートナーの収入に頼っていた場合は経済的に厳しくなるでしょうし、パートナーを失ったショックは大きいため、すぐに気持ちを切り替えて働く事はできないかもしれませんので、備えは大切だと思います。
 実は、この備え、国民年金基金や厚生年金基金からの援助がある事はご存じでしょうか。内容としては、死亡時に一度だけ支払われる死亡一時金と、遺族に対して継続して支払われる遺族年金があります。以下で、それぞれに分けて解説していきたいと思います。
 まず、死亡一時金についてです。国民年金基金からは、国民年金を収めた月数に応じて、12-32万円の支給があります。また、サラリーマンの方は、会社からも支給される可能性があります。会社によるので額は分かりませんが、私の場合、100万円程度支給されるようでしたので、皆さんも調べてみるといいと思います。あとは、サラリーマンの方は、組合の関係で、入社時に半強制的に加入させられた保険がありませんか?私の場合は、毎月2000円が給与天引きで徴収されていますが、死亡時は1000万円ほど支給されるようです。あとは、死亡時は退職金も支払われますので、これも数百万円とか大きい金額になるでしょう。
 次に、遺族年金について解説したいと思います。国民年金基金からは、遺族基礎年金として、お子さんが18歳になるまでの間、78万円+22.5万円×お子さんの数が、毎年支給されるようです。厚生年金に加入されている方は、遺族厚生年金が支給されますが、計算がかなり複雑ですので割愛しますが、若い方でも50万円程度は支給されるようです。遺族年金についても、会社によっては支給される事があると思います。私の知人の会社では、10年間に限り毎年30万円支給されるとの事でした。
 アレコレ色々と書いてしまい、混乱させたかもしれないので、シンプルにまとめます。死亡一時金として一度に限り、12-32万円(国民年金なので基本全員)+100万円(会社支給なのでケースバイケース)+1000万円(会社組合の保険なのでケースバイケース)が支給されます。また、遺族年金として毎年、80万円以上(国民年金なので基本全員)+50万円以上(厚生年金なので基本全員)+30万円(会社支給なのでケースバイケース)という事になります。これだけでも、配偶者にとってはかなり助けになるのではないでしょうか。

医療保険は不要?

 次に、医療保険について解説します。表1に、疾患と入院費用の一覧を、公益社団法人全日本病院協会が公表している数値を用いて作成しました。青で示す平均入院費用とは、国民健康保険に加入していなかった場合の入院費用です。国保に加入していない場合、約93万円の入院費用を支払う事になります。普通は国保に加入していると思うので、その場合は、3割負担の約28万円の支払いとなります。

表1.入院費用一覧(出典:公益社団法人全日本病院協会
「医療費」重症度別2020年10月-12月分をもとに作成)

 一番右側の列に、高額療養費制度とあり、この制度が適用された場合、支払いは約8万円まで抑える事ができます(所得によって変わります、年収約370-770万円の場合)。では、適用条件はというと、国民健康保険に加入している方は申請する事で適用されます。ただし、入院費用は一時的に負担し、後日差額が返ってくるという形になります。つまり、3割負担の28万円を一時的に病院へ支払い、その後申請する事で、28-8=20万円の差額が返金されるという事です。
 実は、入院にかかる費用の中で、国保の3割負担と高額療養費制度を適用できない費用が2つあります。1つ目は、差額ベッド代です。上記の8万円の中に、通常のベッド代(宿泊料みたいなイメージ)は入っているのですが、個室や個室でなくとも快適な部屋を使用した場合は、通常のベッド代よりも高い料金が請求されます。この追加分を差額ベッド代と言います。基本的には、自分から部屋を指定しない限り、つまり病院都合の場合は、差額ベッド代の支払い義務はありません。しかし、個室しか空いていない場合に差額ベッド代を拒否する事は、「拒否するなら出ていけ」と言われかねないので、立場上言いにくいと思います。突発的な手術の場合は難しいでしょうが、入院が前もって分かっている場合は、金銭的に厳しいという事をあらかじめ伝えておけば、病院側もビジネスとして支払ってもらえないと困るので、差額ベッド代のかからない又は安い部屋を優遇してくれる可能性は非常に高いと思います。
  3割負担と高額療養費制度を適用できないものの2つ目が、先進医療です。 これは、最先端の医療であり、普及していない事から、健康保険の適用範囲に入っていない医療技術になります。保険の適用範囲に入っていないため、医療費は高額となります。表2に、厚生労働省が公表している、2018年に日本で行われた先進医療を件数でランキングで示しましたが、2位と4位のがん治療に関しては、一回当たりの治療費が約300万円と極めて高額になっています。しかし、実際にこれらの治療が実施される確率は極めて低く、1.5/10000人とも言われています。確率にすると、0.015%となり、交通事故で亡くなる確率と同程度です。また、医療保険にて先進医療特約を付けた場合、保険料は月100円程度しか変わらない事から、保険会社は100円しか取らなくても採算が合うわけですから、先進医療はほとんど実施されないという事が見て取れるかと思います。

表2.2018年の先進医療実施件数ランキング


  さて、医療保険について見てきましたが、まとめると、健康保険に加入している私たちは、入院や手術があった場合でも、基本的には月額の支払い料金は最高80,000円程度となります。もし、医療保険に加入する場合、平均して月額20,000円程度収める事になるので、4カ月で同額となります。まさか、四カ月に一回入院や手術をする方なんていないと思いますから、医療保険に加入する必要性はないと判断するのが妥当だと思います。それならば、医療保険に支払うはずだった金額を健康を維持するために使う事で将来病気にならないようにするか、あるいは貯金や投資に回す事で、万が一の病に備える方が現実的ではないでしょうか。ちなみにですが、基本的に保険会社は、加入者からの保険料の一部は、亡くなった方や病を患った方に支払っていますが、同時に保険料を投資に回す事で利益を得ています。でないと、掛け捨てではない保険は成り立ちませんよね。私は、これと同じように、自分で投資を行い、将来の病に備える事を自分で行ってもいいのではないかと思います。

まとめ

 さて、今回は生命保険と医療保険の必要性について詳しく解説してきました。私は、保険は必要ないと考えていますが、考え方は人それぞれだと思います。保険は必要ないと判断しなくても、必要以上に多額の保険料を納めていないか、それについては検討の余地はあるのではないでしょうか。

 最後に、今回の内容から、生命保険と医療保険には加入しないと判断した場合、年間約38万円の節約が可能です。これによって、平均13年かかるFIREまでの道のりが、11年に短縮される計算となります。お盆休み1週間でも嬉しいのに、2年も休めるとは嬉しくてたまりませんね。

 では、本日はお疲れ様でした(*_ _)ペコリ